■奈良県(宇陀郡)曽爾村コシヒカリ-農薬5割減
奈良県(宇陀郡)曽爾村コシヒカリ-農薬5割減
★ コシヒカリ ★
コシヒカリは、新潟県農業試験場で「農林22号」を母に、「農林1号」を父として、昭和19年に交配されました。
のちに一部が福井県農業試験場へ分譲され、「越南17号」という系統ができあがりました。
昭和29年から、越南17号は各県で試験栽培が行われ、魚沼地域では南魚沼市(旧大巻村)で試験栽培が行われました。
魚沼地域での試験栽培の結果は、他の地域に比べて成績が優れていて、魚沼の風土に適した品種であることがわかりました。
しかし、食味と品質は良かったものの、倒れやすく病気に弱いという欠点がありました。
その後も、生産者と関係機関が一丸となって技術改良を進めて、昭和31年に新潟県の奨励品種となり、「越の国に光り輝く品種」となることを願い「コシヒカリ」と命名されました。
★ 差別化 ★
奈良・奥大和の秘境、曽爾村。
ここでは、五穀豊穣を祈って300年続いてきた獅子舞とともに、連綿と育まれた稲作文化が息づきます。
標高450~700mの高原地帯特有の寒暖の差を生かし、平成の名水100選にも選ばれた曽爾高原、屏風岩、鎧だけなどミネラルを豊富に含んだ山の湧き水や、蛍飛び交う曽爾川の水で作った「コシヒカリ」です。
指導役に、山形県高畠町の遠藤五一氏を迎え、曽爾村独自の栽培方法(100%有機質肥料、農薬使用量を慣行水準の5割以上減)を導入。
初年度である2016年度は、11人が2ヘクタールでコシヒカリを栽培、約8トンを収穫しました。
NPO法人「日本で最も美しい村」連合(商標登録済)( 通称、美しい村連合)は、2005年に7つの町村からスタートしました。
当時は、いわゆる平成の大合併の時期で市町村合併が促進され、小さくても素晴らしい地域資源や美しい景観を持つ村の存続が難しくなってきた時期でした。
私たちは、フランスの素朴な美しい村を厳選し紹介する「フランスの最も美しい村」運動に範をとり、失ったら二度と取り戻せない日本の農山漁村の景観・文化を守りつつ、最も美しい村としての自立を目指す運動をはじめました。
http://utsukushii-mura.jp/
★ 栽培情報など ★
- ブランド名 曽爾村コシヒカリ-農薬5割減
- 産地(栽培地) 奈良県宇陀郡曽爾村
- 品種 コシヒカリ
- 節減対象農薬 当地比5割減
- 化学肥料(窒素成分) 当地比5割減
- タンパク質含有量 5.8%以下
★ 炊き上がり特徴 ★
◆ カートボタンの下に、産地・生産者情報があります ◆

★★★ 産地情報 ★★★
曽爾村は、奈良県の中央部よりやや北寄りの東端に位置する、人口約1,500人の山村です。
標高400〜450mという立地により気温も平地に比べて低くなり、夏は涼しく冬は寒い高原特有の気候といえます。
村の歴史は極めて古く、古事記や日本書紀などにもその名前が登場するほど。
「漆部の郷(ぬるべのさと)」と呼ばれ、漆塗りが始まった地ともいわれています。
また、村の大半を山々が占めており、西側には鎧岳に代表される壮大な断崖群がそびえ立つ、近畿地方では珍しい美観をなしています。
豊富な湧き水や、昼夜の寒暖の差を生かして育てた滋養に満ちた野菜や米、村の約9割を占める森林を生かした林業が基幹産業。
茅葺屋根の材料となる萱(かや=ススキ)が群生する曽爾高原、温泉などの観光資源も豊富です。
- 特徴ある曽爾米をブランド化するための協議会を設立
曽爾村で約4ヘクタールという広大な田んぼを担う、「曽爾村のお米作り名人」と呼ばれる萩原康孝さんをはじめとした米農家15人が、平成28年4月に「曽爾米ブランド化協議会」を設立。曽爾で作られるお米のブランディングに取り組んでいます。
その背景には、湧き水や寒暖の差を生かした食味の良い「曽爾米」が、JAによる県域流通で「奈良県産」として、他のお米と一律に販売されていたことや、少子高齢化によりお米作りの担い手が不足し始めていることなどがありました。
- これからの時代、大切になるのは安心・安全でおいしいお米作り
きちんと買ってもらえるお米とはどんなものなのか。萩原さんたちは考え「今の時代はお米作りも昔のままではあかん。
“ようけとれたらええわ”ではなく、安心で安全で、喜んでもらえるお米を作ろう」という結論に達します。
そこで、この道70年の大ベテランが、日本一のお米作り名人といわれる山形の米農家・遠藤五一さんに指導を仰ぐことにしたのです。
そうして生まれたのが、化学的に作られた肥料を一切使わない、100%有機肥料で育てたお米。
農薬の使用も一般的な栽培基準の半分以下に抑えた、地球環境や他の生物に配慮した特別栽培米です。
さらに、お米を作るための水は、平成の名水100選にも選ばれた曽爾高原からの湧き水や、蛍が飛び交う曽爾川の清水を使用。異なる水源、異なる土壌で作られるお米は、それぞれ食味が異なるのも特徴です。
- 環境や他の生物に配慮したおいしいお米として特別優秀賞に
萩原さんが作る曽爾米は、第18回「米・食味分析鑑定コンクール国際大会」の栽培別部門・水田環境特Aで、水質環境や生息生物の多さなどが評価され、金賞に次ぐ特別優秀賞に選ばれました。
この「米・食味分析鑑定コンクール国際大会」は国内最大の米コンクール。
国内はじめ台湾やアメリカなどから5671もの検体が出品された中での受賞だったのです。
- きちんと稼げる道筋を整え、若い担い手の希望をつくりたい
初めて特別栽培米としての「曽爾米」を育てた平成28年は、11人の協議会の仲間たちと共に2ヘクタールの田んぼでコシヒカリを栽培し、約8トンを収穫。
萩原さんは、これからさらに「曽爾米」の生産を広げ、「広く知ってもらい、たくさんの人に買ってもらえるようにしていきたい」と語ります。
そこにはお米作りでもう一度きちんと収入を得られる道筋を整えることで、後に続く若い人たちの希望を作りたいという思い、そして村の行く末を思う、強い郷土愛があります。
- 「田んぼの担い手がいなくなれば、水田は荒れていく一方になります。
草ばかり生えて、村の景観も保てなくなる。
何か方法を考えて若い人にも米作りをしてもらわないと、と感じていたときに農林業公社が立ち上がってくれた。
一緒になって村のために、お米作りで稼げる状況を作っていきたい。
そして、出て行った若いもんが帰ってきたり、移住してくる人たちの生業になったりするよう取り組んでいきたいです」。
http://soni-agriforestry.jp/index.htmlより
★★★ 生産者 ★★★
一般社団法人曽爾村農林業公社
曽爾村農林業公社は、2016年6月に設立された官民共同組織です。
村内で育った米や野菜のブランド化などを目指す農業分野と、製材所やモバイルキッチンなど、木材加工による付加価値の創造を目指す林業分野。
この両分野を中心に村内で展開する地域イノベーションによる創業を支援しながら、持続可能な農林業の実現を目指して各プロジェクトを進めています。
http://soni-agriforestry.jp/index.htmlより