こんにちはゲストさん
テレビや雑誌などで、いまだに紹介されていることもあり、ザルに白米を入れて研いでいる人は、意外と多いと思います。
実際、ザルでお米を研ぐと、素早くすすぎが出来たり、水きりが出来るので、良い方法のように感じるかも知りません。
しかし、ザル研ぎは5合以上から初めて効果が出る研ぎ方なのです。
という事は、一度に大量の白米を研ぐ、飲食店などの研ぎ方なのだと理解しても良いでしょう。
一般家庭では、一度に5合の白米を研ぐことは少ないと思います。
1~3合程度なのではないでしょうか。
その白米の合数であるのなら、ザルで研ぐことは難しいと考えてください。
理由は、ザルで白米を研ぐと、ザルの網目に米粒が刺さってしまい、本来なら割れなくて良かったはずの米粒が割れてしまったり、網目との摩擦が強く起こってしまうため、米粒が必要以上に削れてしまったりするためです。
また、近年誕生した各産地の品種は、米粒としては大きめなのですが、米質が柔らかいものが多いので、余計にザル研ぎには向きません。
ザル上げを必要とするのは、大量に白米を研ぐ飲食店であったり、釜や土鍋を使うために水加減を正確に量りたい場合、ご飯を炊くときにだし汁などを入れたい場合、炊き上がったご飯に、余分な粘りを出したくない場合などで、実はかなり限定的な方法なのです。
美味しいご飯に炊き上げるためには、お米のデンプン質をアルファー化(糊化)させる事が重要です。
アルファー化(糊化)させるためには、夏で30分以上(理想は1時間以上)、冬で1時間以上(理想は2時間以上)、お米を浸水させなければなりません。
よって、洗米して直ぐにお米を炊くと、お米の表面だけがアルファー化してしまって、熱が芯まで届かず、芯のあるご飯として炊き上がってしまう事があるのです。
(IH炊飯器を使用している場合は、炊飯プログラムに浸水時間も含まれていますので、研いたばかりのお米を直ぐに炊いて構いません。)
これらの現象から、お釜の下のご飯だけが糊のようになってしまう、全体的にペタッとして炊き上がってしまう、柔らかく炊き上がってしまうなど、食感を損なう炊きあがりになりやすいです。
厨房が大きな飲食店では出来ることであっても、一般家庭の台所の広さでは、まずマイナスにしかなりませんので、ザル上げはしない方が良いでしょう。
どうしても正確に水加減を計るためにザル上げをしたい場合は、ザルの中にある米粒が外気の影響をうけないように、濡らした布巾でザル全体を完全に覆ってください。
お米の合数にもよりますが、ザル上げ時間としては最長でも5~10分程度だと考えて、後はご飯の炊きあがり具合で調整してください。
ちなみに、布巾が乾燥してしまった時点から、お米が外気の影響を受け始めますので、布巾が乾いていないかを小まめに確認してください。